ここでは、刑事事件でも不服申し立てができるかについて見てみましょう。
刑事事件における不服申し立ては、いくつもあります。
刑事弁護士にとって代表的なものを挙げると、手続きの各段階に応じて、次のようなものがあります。
◆勾留決定・勾留延長決定に対する不服申し立て
勾留に関する決定に対しては、準抗告ないし抗告という不服申し立てをすることができます。
もとの決定が1人の裁判官で判断されたのに対して、不服申し立てについての審理は、3人の裁判官によって行なわれます。これによって、より慎重に判断されることが期待されています。
◆保釈不許可決定に対する不服申し立て
保釈を認めない決定に対しても、準抗告ないし抗告という不服申し立てをすることができます。
◆有罪判決に対する不服申し立て
有罪判決に対しても、不服申し立てをすることができます(控訴・上告といい、両者を合わせて上訴といいます)。
上訴は被告人の権利ですが、原審における弁護人も、被告人の明示の意思に反しない限り、被告人を代理して上訴をすることができます。
なお、起訴に対する不服申し立ては、することができません。
これは、起訴に対する不服は審理において無罪判決を求める中で主張すれば足りると考えられているからです。