目次
- Q 児童ポルノとは何ですか?児童ポルノの定義を教えてください。
- Q 児童ポルノに関してどのような行為をすることが犯罪になるのですか?
- Q 児童ポルノ禁止法違反の刑罰はどの程度なのでしょうか?
- Q 自分の子供がプールで水浴びしている画像を持っています。犯罪ですか?
- Q 児童の水着姿や下着姿の写真は、児童ポルノに当たるのでしょうか?
- Q 二次元画像は、児童ポルノ規制の対象になりますか?
- Q 児童ポルノをダウンロードしました。児ポ法で規制されますか?
- Q 児童ポルノ画像があるウェブサイトに接続したのですが、犯罪ですか?
- Q 女子高生に胸部露出の画像メールを送信させました。これは犯罪ですか?
- Q 児童の裸体を盗撮する行為は、児ポ法で処罰されますか?
- Q ファイル共有ソフトで児童ポルノ画像が共有状態に…。これは犯罪ですか?
- Q 児童ポルノ画像をネット上で閲覧することは、犯罪になりますか?
- Q 児童ポルノの製造や提供は逮捕されますか?またいつ釈放されますか?
- Q 児童ポルノの提供で逮捕されました。刑務所に入らなければいけませんか?
Q 児童ポルノとは何ですか?児童ポルノの定義を教えてください。
児童ポルノは、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」(いわゆる児ポ法)で各規制の対象になる物です。
そして、児童ポルノとは、児童(18歳未満の人)について①性交または性交類似行為をする姿②性器を触ったり触られたりする姿③衣服の全部または一部を着けない姿で性欲を刺激させるものを写した写真や電磁的記録をいいます(2条3項)。
なお、平成26年7月15日に施行された改正児ポ法では、処罰範囲を明確化するため、③の要件がより限定され、殊更に児童の性的部位が露出されまたは強調されていることが要件になっています。
Q 児童ポルノに関してどのような行為をすることが犯罪になるのですか?
児ポ法では、児童ポルノを①提供すること、②提供する目的で製造・所持・運搬・輸出入・データ保管すること、③製造すること、④不特定多数者に対して提供すること及び公然と陳列すること、⑤④の目的で製造・所持・運搬・輸出入・データ保管すること、⑥④の行為をする目的の日本国民が外国において輸出入することが刑罰の対象にされています(7条)。
また、改正児ポ法では、⑦自己の性的好奇心を満たす目的で、自己の意思で児童ポルノを所持することが禁止されました。
なお、この単純所持罪は、改正法の施行(平成26年7月15日)から1年の間適用されません。これは、自発的に廃棄するための猶予期間とする趣旨です。
Q 児童ポルノ禁止法違反の刑罰はどの程度なのでしょうか?
行為態様や目的によって刑罰の重さが異なります。児童ポルノの①提供、②提供目的での製造・所持・運搬など、③製造は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金とされています(7条2項から5項)。
また、④陳列、⑤陳列目的での製造・所持・運搬など、⑥陳列目的で行った外国での輸出入は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金とされています(7条6項から8項)。
そして、⑦単純所持は1年以下の懲役または100万円以下の罰金とされました(7条1項)。
もっとも、弁護士を立てて対応することで、弁護活動が功を奏し、これらの刑罰を受けないで済むケースも多くあります。捜査機関が集めた証拠を弾劾し、意見書を提出することで、不起訴処分を得られれば、ご相談者に児童ポルノの前科が付くことはないので、円滑な社会復帰が可能です。
Q 自分の子供がプールで水浴びしている画像を持っています。犯罪ですか?
児ポ法は、児童の性的権利を守るための法律で、規制対象になる児童ポルノは性欲の興奮・刺激に向けられたものに限られます。具体的には、裸体の児童が性器の見えるポーズや胸部を強調するポーズをとっている写真などが、児童ポルノになります。
そのため、子どもの成長記録や卒業アルバムの一部としてその自然な姿を撮影したような映像・画像は、たとえ子どもの裸体を写したものであっても児童ポルノには該当しません。
したがって、自分の子がプールで水浴びしている画像を所持することが児童ポルノ規制の対象になることは通常ありません。
Q 児童の水着姿や下着姿の写真は、児童ポルノに当たるのでしょうか?
児童ポルノは、水着や下着を着用した場合を含まないものとは定義されていないため、児童ポルノに当たるケースがないとは言えません。最終的な該当性の判断は裁判所が行うものであって、事前に弁護士が個別の判断をすることは非常に困難です。
また、捜査機関が児童ポルノに当たると考えた場合、刑事事件として立件され、逮捕による身体拘束や連日の取調べなど、被疑者として様々な負担を被る可能性があります。当然、有罪判決を受ける可能性もあります。
児童ポルノに該当する恐れがあり、これらの危険に見合うと思われない写真であれば、予め廃棄するのが賢明だと言えるでしょう。
Q 二次元画像は、児童ポルノ規制の対象になりますか?
児童ポルノ禁止法は、児童ポルノの被写体になってしまう児童の権利を守る法律であるため、児童ポルノは実在する18歳未満の人を被写体とする物に限られます。
したがって、架空の児童を被写体として製造された二次元の映像・画像は児童ポルノに当たらず、規制対象にはなりません。
Q 児童ポルノをダウンロードしました。児ポ法で規制されますか?
従前の児ポ法では、児童ポルノをアップロードする行為が規制対象であったものの、ダウンロード行為に対する規制はありませんでした。しかし、改正児ポ法では、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持することが禁止されています(7条1項)。
そして、インターネットを通じてダウンロードできるデータファイルも児童ポルノに該当するため、ダウンロードしたファイルを保存する行為は児童ポルノ所持の禁止に抵触する恐れがあります。
児童ポルノをダウンロードし、警察から目を付けられているのではないかと不安な方は、一度弊所の24時間専用フリーダイヤル 0120-631-276 までお電話ください。専属のスタッフから親身な案内を受けることができます。
Q 児童ポルノ画像があるウェブサイトに接続したのですが、犯罪ですか?
児童ポルノ所持罪は、自己の意思に基づいて所持するに至ったことが明らかに認められる者に限って成立するものです。そして、パソコンに一時的に保存されたウェブサイト上の画像データ(キャッシュ)は、普通は保存されていることすら分からず、自己の意思に基づいて所持に至ったものとは言えないため、通常児童ポルノ所持罪の対象にはなりません。
なお、知らないうちに児童ポルノ画像のデータを送りつけられた場合も、同様に児童ポルノ所持罪は成立しません。もっとも、送りつけられたデータを自分のパソコンなどに保存し直した場合には、その保存行為について所持罪が成立する可能性があります。
Q 女子高生に胸部露出の画像メールを送信させました。これは犯罪ですか?
児童ポルノに当たる姿を児童自身に撮影させて写真データにする行為は、児童ポルノ製造罪に該当する犯罪行為です(児ポ法7条4項)。
したがって、相手の女子高生が18歳未満の児童である場合には、児童ポルノ製造罪に該当する可能性があります。
児童ポルノの画像メールの件でお困りの方は、一度弊所の24時間専用フリーダイヤル 0120-631-276 までお電話ください。専属のスタッフから親身な案内を受けることができます。
Q 児童の裸体を盗撮する行為は、児ポ法で処罰されますか?
従前の児ポ法では、児童ポルノ製造(提供、陳列目的でないもの)は意図的に児童に撮らせる場合のみを対象としていました。しかし、改正児ポ法では、盗撮行為による児童ポルノの製造が児童ポルノ製造罪の対象になりました(児ポ法7条5項)。
盗撮行為そのものは、軽犯罪法や各都道府県の迷惑防止条例でも刑罰の対象とされていますが、盗撮によって児童ポルノ画像を撮影した場合には、より刑の重い児童ポルノ製造罪が成立することになります。
したがって、児童の裸体を盗撮する行為は、児童ポルノ製造罪として処罰されることがあります。
Q ファイル共有ソフトで児童ポルノ画像が共有状態に…。これは犯罪ですか?
ファイル共有ソフトを通じて、インターネット利用者が児童ポルノ画像をダウンロードできるようにする行為は、児童ポルノの公然陳列罪や不特定多数者への提供罪に該当し得る犯罪行為です(児ポ法7条6項)。
ただし、操作方法や設定に関する知識がなく、アップロードしたとの認識がない場合には、犯罪の故意を欠くためこれらの罪には当たりません。
もっとも、アップロードする結果になっても構わないという程度の認識(未必の故意)があれば故意ありとされてしまい、犯罪が成立することになります。
ファイル共有ソフトで児童ポルノ画像を共有状態にしていたことで突然逮捕されたケースも多いので、注意が必要です。
Q 児童ポルノ画像をネット上で閲覧することは、犯罪になりますか?
児ポ法は、単に児童ポルノ画像を閲覧する行為を刑罰の対象にしていません。また、改正児ポ法で禁止されることになった単純所持も、児童ポルノに当たる物やデータを所持・保管する行為を対象とするのみで、閲覧行為はこれに当たりません。
したがって、ネット上にある児童ポルノ画像の閲覧は犯罪にはなりません。
Q 児童ポルノの製造や提供は逮捕されますか?またいつ釈放されますか?
児童ポルノの製造や提供は、逮捕状による通常逮捕をした上で捜査を行うケースが多い犯罪類型です。逮捕されると、起訴・不起訴の判断まで最長23日間身体拘束される可能性がありますが、児童ポルノの製造や提供の場合は23日間拘束されてしまうことが少なくありません。
制度上は、逮捕後3日以内に勾留なく釈放される余地もありますが、児童ポルノの事件で逮捕状を得てまで逮捕した場合には、そのような早期釈放を実現するのは難しいのが実情です。
もっとも、児童ポルノ系の事件は複数の余罪があることが多いですが、余罪の点を穏便に解決することで、通常の予定よりも早く捜査が終わり、留置場からの釈放が早まるケースもあります。
ご家族が児童ポルノ禁止法違反で逮捕されている方は無料相談が可能ですので、何か心配事があれば、お気軽にご相談ください。
Q 児童ポルノの提供で逮捕されました。刑務所に入らなければいけませんか?
児童ポルノの製造や提供などの事件では、同種前科や複数余罪があるケースや、執行猶予中の犯行でない限り、実刑判決になって刑務所に入らなければならないケースはあまり見られません。
ファイル共有ソフトによるアップロードで提供したことの認識が立証できないような場合には、嫌疑不十分として不起訴処分になります。この場合、刑罰を受けることなく事件が終了するので、刑務所に入ることはありません。また、不起訴処分の場合は、前科が付くこともないので、スムーズな社会復帰が可能です。
さらに、児童ポルノの罪は、起訴される場合でも、略式手続という簡易な手続で罰金刑に終わるケースがほとんどです。この場合、刑務所に入ることはありませんし、法廷で裁判が行われたりすることもありません。
ご家族が逮捕されている方の相談は無料ですので、何かよく分からない点があれば、一度弊所の24時間専用フリーダイヤル 0120-631-276 までお電話ください。専属のスタッフから親身な案内を受けることができます。