お金に関する犯罪(刑事事件)には、どのようなものがあるかについて見てみましょう。
なお、ここでは、財産的価値のある物についても、お金と同じに扱って論じます。
お金に関する刑事事件(財産犯)は、(1)奪い取る、(2)騙し取る、(3)脅し取る、(4)横領する、(5)盗品に関わる、(6)壊す、といった類型があります。
(1)奪い取る類型に当たるのは、窃盗罪と強盗罪などです。こっそり奪うもの、力づくで奪うものなど、幅広くあります。
(2)騙し取る類型に当たるのは、詐欺罪です。
(3)脅し取る類型に当たるのは、恐喝罪と強盗罪です。強盗罪は、奪い取るほかに脅し取るパターンもあるのです。
恐喝と強盗との違いは、用いる暴行・脅迫の程度です。恐喝では畏怖させるに足りる程度ですが、強盗では反抗を抑圧するに足りる程度で す。
(4)横領する類型に当たるのは、単純横領、業務上横領、遺失物横領です。
(5)盗品に関わる類型に当たるのは、盗品の無償譲り受け、有償譲り受け、運搬、保管、有償処分のあっせんです。
(6)壊す類型に当たるのは、器物損壊、建造物損壊、動物傷害、私用文書毀棄、新書隠匿などです。