ここでは、刑事事件で身元引受人がどのような場面で必要になるかについて見てみましょう。
身元引受人は、次のような場面で必要になります。
◆勾留されないことを求める場面
勾留の要件の1つに、「逃亡のおそれがあること」があります。
この逃亡のおそれは、あなた(被疑者)の職業・社会的地位・家族関係・実刑の見込みの有無などから判断されます。
そして、身元引受人がいることは、あなたが逃亡しないよう監督してくれる人間がいることを意味します。
その点で、身元引受人がいることは、勾留される可能性を下げることに繋がるのです。
◆保釈を求める場面
裁判官の裁量によって保釈を認めてくれるよう求める場合には、保釈が相当であることを主張し、裏づけとなる資料を提出する必要があります。
そこで不可欠といっていいほど重要なのが、身元引受人がいることです。
身元引受人がいることで、保釈中のあなた(被告人)の居住場所も確保され、またあなたが公判期日に出頭する(よう監督してくれる人がいる)ことも担保されます。
この身元引受人の存在によって、保釈してもあなたが逃亡しないことが裏づけられ、保釈が相当であるといえるようになるのです。
◆執行猶予を求める場面
執行猶予をつけてもらうには、酌むべき情状が必要です。
この情状として、「今後のあなた(被告人)の生活を監督してくれる人物がいること」が重要な意味をもちます。
特に、その監督者があなたと同居してくれる人物であれば、なおさら今後の生活環境が安定しているといえるようになります。
このように、身元引受人の存在によって、あなたが社会内で更生するための環境が整っているといえるようになるのです。