たとえば、刑事事件の被害者が加害者のことを「訴える」とか「訴えてやる」ということがあります。
ここでは、刑事事件で訴えるとはどのような意味かについて、見てみましょう。
刑事訴訟では、起訴を行なうのは、検察官だけに与えられた権限です。
このように、起訴をする権限を検察官が独占しているのが、刑事訴訟の特徴です。
したがって、刑事事件の被害者が加害者を訴えるという場合、起訴をするという意味ではありません。
(民事事件で損害賠償訴訟を提起するという意味ならあり得ます)
他方、刑事事件の被害者は、加害者のことを告訴したり、被害届を提出したりすることができます。
告訴状や被害届が受理された場合、刑事事件として立件されたということになり、捜査が正式に始まります。
そうなった場合、あなた(加害者)は被疑者として捜査を受ける立場に置かれます。
そうすると、刑事事件の被害者が加害者を訴えるという場合、刑事手続との関係では、事件について告訴や被害申告をするという意味だと理解できます。