次の要件を満たすとき、詐欺は犯罪として成立し、刑事事件となります。
(1)言葉または動作により、人を欺いて財産を処分させることに向けた行為をする
たとえば、被害者に電話をして、「母さんオレだよ、取引でミスをして、損失を出しちゃったんだ、このままだとクビになっちゃうよ。悪いんだけど、一時的に立て替えてくれないかな。次のボーナスで返すから」と、申し向けることです。
(2)それによって、相手がその旨誤信する
上のケースでは、それを聞いた被害者が「えっ、本当かい?いくらだい?※※万円だね。わかったよ、じゃあ立て替えておくから。まったく仕方がないねえ」と誤信することです。
(3)その誤信により、相手が財産を処分する行為をする
上のケースでは、被害者がお金を用意し、犯人の指定する口座にお金を振り込む手続をすることです。
(4)相手が財物を交付する
上のケースでは、被害者の振り込みにより、犯人の口座で振り込まれた金額に相当する預金が入ることです。
(5)そして、以上のすべてについて、犯人が認識していることが必要です。
以上の要件を満たすとき、詐欺は犯罪として成立し、刑事事件となります。