ここでは、刑事事件と民事事件との違いについて説明します。
刑事事件と民事事件とのどちらも、法的に厳密な定義があるわけではありません。
一般的には、次のようにイメージされています。
▲刑事事件・・・特定の行為について、犯罪が成立するかどうか、またどのような刑罰が科されるかが問題となる事件
▲民事事件・・・原告と被告との間で、権利義務または法律関係の存否が問題となる事件
刑事事件では、犯罪の当事者は加害者と被害者です。しかし、刑事訴訟では、検察官が国を代表して加害者を訴えるという形をとります。
これに対して、民事事件では、権利義務または法律関係の当事者が、基本的にそのまま民事訴訟の当事者(原告・被告)となります。
被害者のいる刑事事件においては、刑事事件が不法行為にもなるので損害賠償責任が発生します。
そのため、被害者のいる刑事事件では、1つの事件が刑事事件と民事事件との両方に当たります。
他方、民事事件においては、不法行為となる行為が必ずしも犯罪となるわけではありません。