ここでは、刑事事件の略式命令について見てみましょう。
略式命令は、簡易裁判所が、公判を開かずに書面審理のみによって、100万円以下の罰金または科料を科するものです。
公判を開かずに書面審理のみで処理する点で、非常に簡易な手続きなので、地方裁判所以上の裁判所がこれを発することは認められておらず、簡易裁判所にのみ可能なものとされています。
被告人が言い分を法廷で明らかにする機会を奪うものであるので、略式命令は、被告人が略式命令で処理されることに異議がない場合にのみ発することができます。
また、いったん被告人が同意して略式命令が発せられた場合でも、被告人はその後に、正式な裁判を請求することもできます。