ここでは、万引きがどのような刑事事件になるかについて見てみましょう。
店から商品をこっそりと持ち去るという万引きは、窃盗罪に当たります。
窃盗罪は、他人の占有・管理する財物を、その意思に反して、自己または第三者の占有のもとに移すことによって成立します。
これを万引きについてみると、店舗責任者の管理する財物である商品について、責任者が持ち去りを許していないにもかかわらず、犯人の占有のもとに移しているのです。
そのため、窃盗罪が成立するのです。
万引きすなわち窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
他方、店に管理されている物ではなく、たとえば公共の広場に置き忘れられた物をこっそりと持ち去る「置き引き」は、窃盗罪に当たらない可能性があります。
というのも、持ち主がその物から遠く離れてしまったときは、その物は持ち主の占有のもとになくなってしまうので、「他人の占有する物」に当たらなくなるからです。
ただし、この場合は、遺失物横領罪が成立することになるでしょう。