ここでは、刑事事件における責任能力とは何かについて見てみましょう。
責任能力とは、事物の是非・善悪を弁別し、かつ、それに従って自分の行動を制御できる能力のことをいいます。
もともと犯罪行為を行なった人に非難を加えて処罰をするには、行為時に責任能力があったことが必要だとされています。
この責任能力の内容としては、(1)まず物事の良し悪しがわかること、(2)次にその良し悪しの判断に従って行動できることをいいます。
これを厳密にいうと、上のように(1)事物の是非・善悪を弁別し、かつ、(2)それに従って自分の行動を制御できる能力、となるのです。
刑法上、行為時に心神喪失や心神耗弱状態にあった場合や、行為時に14歳未満であった場合には、責任能力がなかった(または減少していた)とされ、刑事責任を(完全に、または部分的にしか)問えないとされています。