ここでは、在宅の刑事事件について見てみましょう。
刑事事件の被疑者が逮捕・勾留されないまま捜査が行なわれる場合のことを、在宅事件とか在宅捜査といいます。
身柄が拘束されない理由は、2通り考えられます。
(1)犯罪の嫌疑がまだ逮捕できるほど十分でない。
このパターンの場合は、後に犯罪の嫌疑について証拠が集まった場合には、逮捕がされる可能性があります。
(2)逃亡または証拠隠滅のおそれがない。
これは、あなたの職業および家庭生活が安定しているとか、すでに被害者と示談交渉中(あるいは示談済み)であるなどの場合です。
注意が必要なのは、在宅事件だからといって、起訴されないわけではないということです。
在宅であるということは、単に捜査の間あなたの身柄を拘束する必要がないというだけであって、あなたを処罰する必要がないかどうかは、まだ決まっていないのです。
したがって、在宅のまま捜査が遂げられた結果、略式起訴あるいは公判請求されることもあることに注意してください。