[質問]
家族が傷害事件を起こして警察に連れて行かれました。逮捕はまだされていません。私選弁護士を付けることを検討中です。私選弁護士を付けるメリットは何ですか?
[回答]
私選弁護士を付けるメリットは、刑事事件の早い段階において、スピーディな弁護活動をしてもらえる点にあります。
逮捕状は、逃亡のおそれがない、罪証隠滅のおそれがないなど、「明らかに逮捕の必要がない場合」には、発付することができません。そこで、捜査官の証拠収集には協力する、しっかりした身元引受人がいる、被害弁償を行っている、仕事上の都合等のため社会復帰する必要性が高い、といった事情を記載した意見書を提出するなどして、逮捕回避を図ることが可能です。
被害者の方がいる場合には、逮捕される前に被害者の方との示談を成立させることで、逮捕回避の可能性が高まります。宥恕文言を得ることに加えて、被害届や告訴状が出されている場合にはそれらを取り下げてもらうことができれば、逮捕してまで捜査を行う必要性は極めて低くなると言えます。特に、起訴のために告訴を必要とする親告罪(強姦罪など)の場合、告訴状の取り下げは逮捕回避にとって非常に重要です。
国選の弁護士を付けることができるのは勾留状が発付された後ですから、逮捕回避の活動は私選弁護士にしかできません。