ここでは、刑事事件の前科とは何かについて見てみましょう。
前科とは何かについて、厳密な定義はありません。
一般的には、前科とは、以前に有罪の確定判決を受けたことがあることをいうと理解されています。
前科は、検察庁内部のデータベースで把握されるほか、市町村役場の犯罪人名簿に登録されます(犯罪人名簿の方は、一定期間が経つと削除されます)。
普通の日常生活を送っている限り、前科があることが他人に知られることは、通常はありません。
また、マスコミなど民間の団体や民間人が検察庁に対して、あなたの前科について問い合わせをしても、検察庁が回答することはありません。
このように、前科があることは、外部に流出することのない個人情報です。
ただし、前科のあるなしについて、自ら申告するよう求められることはあります。
たとえば、就職活動の際、履歴書の「賞罰」欄には、前科があれば記載するよう求められています。
また、海外旅行でビザが必要な国へ行く際には、ビザの申請にあたって「犯罪経歴証明書」を提出するよう求められます。このときは、警察署から「犯罪経歴証明書」を発行してもらい、提出する必要があります。