民事事件にも時効がありますが、刑事事件にも、時効があります。
刑事事件の時効は、一定の期間を経過すると、以後はその事件について起訴することができなくなるという意味での時効です(公訴時効といいます)。
この公訴時効には、民事の時効と違って、「中断」がなく、「停止」がありうるのみという特徴があります。
どういうことか、見てみましょう。
時効の中断というとき、その意味は、それまで進行していた時効がゼロに戻り、またゼロから進行を始めることをいいます。
たとえば、時効期間が5年のところ、3年半の時点で時効の中断が起きたときは、時効の進行は3年半からゼロに戻り、またゼロからカウントを再開するのです。
これに対して、時効の停止の意味は、時効の進行自体はストップするものの、ゼロに戻るわけではなく、同じところからまた進行を始めることをいいます。
たとえば、時効期間が5年のところ、3年半の時点で時効の停止が起きたときは、時効の進行が一旦ストップしますが、停止事由がやんだときから、また3年半のところから進行を再開します。
このように、中断がなく停止がありうるのみというのが、刑事事件の時効の特徴です。