刑事弁護士が刑事事件について弁護活動を始めるには、委任契約書は必要でしょうか。
刑事事件の弁護活動をするには、委任契約書は必ずしも必要ではありません。
代わりに必要なのは、私選弁護人の場合には「弁護人選任届」、国選弁護人の場合には「国選弁護人氏名通知」です。
これらの書面があれば、刑事事件の弁護人であることを証明できるので、対外的に様々な弁護活動を支障なく行なうことができます。
ただし、私選弁護人の場合には、対外的な書面として「弁護人選任届」を作成したときでも、弁護士と依頼者との間の書面としては、「委任契約書(文書の題名に決まりはなく、たとえば私選弁護契約書などでも結構です)」を作成しておくのが通常です。
委任契約書には、依頼者が弁護士に依頼する弁護活動の詳細が記載されています。
注意すべきは、委任契約書はあくまで弁護士と依頼者との間の契約書に過ぎないので、裁判所や検察庁に提出する書面としては、別途「弁護人選任届」を作成する必要があるということです。