傷害罪で実刑になるケース

私は、建設会社の社長をしています。知り合いから頼まれて雇った作業員２人の勤務態度が悪いので、性根を据えるために木刀で殴ったり蹴ったりしていたら、１人は肋骨骨折、もう１人は意識不明の重体になってしまいました。

私は、作業員が意識不明になったのを死んでしまったものと勘違いして、救護措置などをせずにその場から立ち去りました。その間に、意識のある方の作業員が警察に通報して、今回の事件が発覚しました。今となっては、二人ともトドメをさしておけば、こんな事にはならなかったのにと悔やまれます。

会社は私が１０年前に起こした小規模なもので、これまでも態度の悪い作業員にはお灸を据えて性根を叩き直してきました。今回もこれまでと同様の感覚だったのですが、力の加減を忘れてしまったのだと思います。

警察に逮捕されてからは、最初はシラを切っていたのですが、やがて言い逃れはできないと思って観念し、嫌々ながら事実関係を認めるに至りました。弁護士から「被害弁償をしたらどうか。」とも勧められたのですが、今回の事件は当然、相手にも否があると思っているので、被害弁償などするつもりはありません。治療費などについても、相手が自分で支払えばいいと思っています。意識不明になった作業員の家族からは、「息子と同じくらいの苦しみを味わってほしい。できれば死刑になってほしい」と言われているそうですが、どうでもよいです。

私は短気な性格で、昔からやんちゃをしていたので、２５年ほど前に家庭裁判所で審判を受けたことがあります。また、５年ほど前にも、性根を叩き直すために社員を殴り、ケガを負わせて傷害で執行猶予付きの懲役刑になったことがあります。

両親はすでに他界しており、妻とは離婚しています。子どもや兄弟はいません。

逮捕の後、勾留を経て、先日起訴されました。作業員の１人は症状が固定し、全治３か月だそうです。もう１人の意識不明になってしまった方の作業員は、まだ意識不明のままです。