よくある刑事弁護士への相談の例
「延滞金が発生」の架空請求詐欺で検挙された。
数人と共謀して、第三者にメールを送って「延滞金を支払ってください」と請求するタイプの架空請求詐欺をしていたのがばれて、警察に逮捕されてしまいました。
私たちがしていた詐欺は、たとえば次のようなものです。まず「当社は貴殿が現在までに利用したサイトの未払金ならびに遅延損害金の合計200万円の支払督促・回収を依頼されております。既に支払期限を超過しているため、法的手段も辞さずに回収をさせていただくことを予めご了承ください。その手段として民事または刑事上の告訴を行うことをご了承ください」というようなメールを送信します。
次に、そこに記載された連絡先に返信をしてきた人に対して、振込先口座を伝えて振り込ませるというものです。そして、振り込まれたお金の引き出しをプロパーで担当する者が、引き出したお金を私書箱に投函したり、メッセンジャーに渡したりします。そういったルートを通じて、振り込ませたお金が統括責任者のもとに届くのです。
私がしていた役割は、振り込まれたお金を引き出すことです。多いときは一日に何店舗もの銀行やコンビニを回り、合計数百万円ものお金を引き出したこともありました。
しかし、一番顔がばれやすい役割でもあるので、私のような立場の者から真っ先につかまることが多いのです。実際、私もグループの中では一番早く逮捕されました。引き出し役のグループにも現場責任者がいます。その人の名前や住所などの情報は一切知りません。私が受け取っていた報酬は、1件につき2,3万円でした。
引き出す時、詐欺で振り込まれたお金かもしれないとは思っていたのですが、日々の生活費を稼ぐ必要があったので、犯行に加担してしまいました。
弁護士の先生に相談すれば、刑は軽くなるでしょうか?
刑事弁護士からの一行回答
刑事弁護士に相談すれば、今回の延滞金架空請求詐欺事件に関して、ご相談者に対する刑罰を軽くするための方法を知ることができます。また、実際に刑事弁護士に弁護活動を以来すれば、黙秘権を適切に行使する、示談交渉を進めるなど、ご相談者に対する刑罰を軽くするための弁護活動を進めることができます。
架空請求メールを送る態様の詐欺に関しては、特殊詐欺の一類型として社会問題化しているため、ご相談者に対しては厳しい捜査と判決が予想されます。具体的には、逮捕のための疎明資料が固まった事件に関しては、再逮捕が繰り返され、刑事裁判で有罪を取るだけの証拠が固まり次第、追起訴が繰り返される可能性が高いです。
事件の追起訴が終わるまで、捜査だけで一年以上かかることもあり、保釈も認められず、厳しい取り調べを受けながらの留置場生活にはなかなか厳しいものがあります。
ご相談者の場合は、受け取っていた報酬が「1件2、3万円」と、この種の事件の中では比較的少なく、また事件への関与も浅いことから、上手くいけば執行猶予判決を得られる可能性があります。
大切なのは、組織の末端ながら、積極的に被害弁償に参加・協力し、真摯な反省の態度を示していくことです。最終的に起訴される事件の数や内容にもよりますが、本件では、ぎりぎり執行猶予の可能性が残っていると言えます。