よくある刑事弁護士への相談の例
事務所荒しで葛西警察署に逮捕された。
事務所荒らしをしていましたが、このたび葛西警察署に逮捕されました。これからどうなるかが心配です。
私は、もともとは会社員をしていたのですが、その勤務先がひどいブラック企業で、入社後まもなく辞めてしまい、転職活動もうまくいかず、派遣社員やアルバイトを転々とした後、パチンコ屋で知り合った人から紹介されて窃盗団に関わるようになりました。
会社員時代の経験から、ブラック企業にはお金がたくさん貯め込まれていることを知っていました。そこで、ブラック企業の事務所に忍び込んでお金を盗もうと計画しました。ブラック企業は辞める従業員も多いので、そのつてをたどって、あるブラック企業に狙いを定めました。
その会社を辞める直前の従業員と接触し、事務所の鍵を借り受けて複製し、本物は従業員に返します。そして、その従業員が辞めた後、その人に完璧なアリバイがある日時に、私たち窃盗団が忍び込んで現金や金庫を持ち去るのです。もちろん、従業員から金庫の場所やセキュリティの甘い日時を聞き出しておきます。
事務所に忍び込んで一番に狙うのは、耐火金庫です。事務所の中でも一番現金が入っている可能性が高いのが、耐火金庫だったからです。この種の金庫は重いので、メンバーには力持ちの人間を入れるようにしていました。「当たり」の金庫を持ち出せたときは、1回で数百万円の稼ぎになったこともありました。
私の分け前は、メンバー4人で等分だったので、4分の1でした。結局、私自身が捕まるまでに受け取った分け前は、合計1000万円を優に超えると思います。被害総額がいくらなのかは、私自身もわかりません。
今回逮捕されたのは、東葛西のメーカーの事務所に忍び込んだ件だと思います。金庫を運び出す役割の者が、ヤマの後で金を使いすぎて目をつけられ、逮捕されたことで、ほかのメンバーも芋づる式につかまりました。
今後、私はどうなりますか?
刑事弁護士からの一行回答
刑事弁護士に事件を相談すれば、ご相談者が葛西警察署管内で事務所荒しをした件に関して、ご相談者の置かれている状況や、今後の捜査の見込み、起訴の可能性、刑事裁判の流れを知ることができます。
本件のように、窃盗団に関与し、組織的に何度も事務所荒らしをしているケースでは、一度逮捕されてしまうと、その後に余罪が何件も出てきて、再逮捕が繰り返される可能性が高いです。この場合、勾留は長期になります。
逮捕・再逮捕された事件のうち、刑事裁判を維持するのに十分な証拠が出てきたものは起訴され、残りは処分保留の末、不起訴処分になります。
本件においては、何件の事件が起訴されるかは、現時点では何とも言えませんが、最終的に起訴された事件の数・内容によっては、初犯であってもいきなり実刑判決(刑務所行きの判決)が下されることも十分に考えられます。
刑罰を軽くしたいのであれば、余罪が起訴されないように注意し、起訴された罪に関しては被害弁償を尽くすことが大切です。