よくある刑事弁護士への相談の例
「医療費の還付」の還付金詐欺で検挙された。
私は、あるグループで「医療費を還付します」という還付金詐欺をしていましたが、逮捕されました。
私は、電話をかける役目のいわゆる「かけ子」をしていました。駅前の事務所に毎日通い、一日にかけるべき本数のノルマに達するまで、電話をかけていました。私のグループのやり方は、次のようなものでした。
まず、社会保険事務所の職員を名乗って電話をかけ、「医療費の払い戻しの手続きを進めているのですが、A様のお宅ではまだ申請手続きが済んでおりません。申請期限は本日ですので、今日中に手続きを済ませてください」と告げます。続けて、「手続きはエーATMで済ませることができます。コンビニで結構ですので、ATMのある場所へ行って、そこからお電話をしてください」と誘導するのです。そして、相手がATMのある場所へ行って電話をしてくると、「それでは、私の指示するとおりにATMを操作してください」と言って、入金させるのです。「かけ子」にはシナリオなどが書かれたマニュアルがあり、口調に本物らしさを出すために、わざわざスーツやメガネを着けたりすることもありました。
私がもらっていた報酬は、1件ごとの「売り上げ」の1割でした。稼ぎのいい時は、一日で50万円を超える報酬をもらったこともありました。
今回の逮捕は、「出し子」グループが捕まり、そこから「かけ子」グループにも捜査が及んだことによるもののようです。
逮捕されて以降は、マニュアルの指示どおりに黙秘していますが、いつまで耐えられるかわかりません。家族も心配しているでしょうし、留置場の中だと1人なので、精神的にしんどいです。
弁護士がつけば、どんなことを相談したり、お願いしたりできるでしょうか?
刑事弁護士からの一行回答
刑事弁護士を立てて対応すれば、ご相談者の医療費還付金詐欺に関して、ご相談者に対する刑罰と留置場生活が少しでも軽くなるように、ベストな弁護活動を受けることができます。
グループで「医療費を還付します」という還付金詐欺をしていた場合は、今後も再逮捕が続き、勾留生活が長引くことが予想されます。なぜなら、法律上、逮捕・勾留は「×月×日に行ったAさんに対する××万円の詐欺」1件ごとに行うことができるからです。今後も続行される警察の捜査によって、次々と余罪が立件され、再逮捕が繰り返される可能性が高いからです。
また、この種の事件では、裁判所から勾留に接見禁止(弁護士以外とは面会禁止)の処分が付けられるのが通常です。ご相談者においても、外部とのコミュニケーションが全く取れず、辛い思いをされていることと思います。
刑事弁護士がついた場合は、事件の見込みや被害弁償について相談できることはもちろん、家族や友人への伝言も依頼することができます(但し、証拠隠滅につながる恐れのある伝言はお伝えできません)。
刑事弁護士であれば、本の差し入れなども基本自由で、私たちの事務所でも、よく、ご依頼者の希望に応じて、書籍や雑誌を差し入れています。
今回の医療費還付金詐欺事件では、ご依頼者は、「もらっていた報酬は売り上げの1割。稼ぎのいい時は一日で50万円を超える報酬をもらったこともあった」ということなので、刑事裁判で裁判官から「組織犯罪に積極的に関与した」と認定され、重たい判決が下される可能性が高いです。
その場合であっても、刑事弁護士を立てて被害弁償や示談を進めることで、判決において、ご依頼者に有利な判断を得ることができます。