よくある刑事弁護士への相談の例
自動車盗で八王子警察署に逮捕された。
自動車を盗んだところを発見され、そのまま八王子警察署に逮捕されてしまいました。これから私がどうなるか、心配です。
私はこれまで、自動車盗を何度も繰り返してきました。私がやってきた自動車盗は、何パターンかあります。
たとえば、一番初めのころは、ドアの鍵穴を壊して運転席に乗り込み、車内のコードを直結してエンジンをかけ、運転してその場を去るという、シンプルなやり方をしていました。また、家に侵入して、車のキーやスペアキーを盗んで、その家の車を運転して持ち去るということもやりました。さらに、協力者がいるときは、まず私が交差点で追突事故を起こし、相手が話し合いをするために車を降り、車から離れた隙に、協力者が相手の車に乗り込んで逃走し、相手が私から目を離した隙に私も逃走する、ということもしました。
ほかにも、手の込んだ手口としては、中古車のオークション会場で、まず客を装ってスペアキーを渡してもらい、こっそりと盗みます。それと同時に、ボンネットを開けると、車台番号がエンジンの付近などに書かれているので、その番号を控えることで、自動車の登録事項照明書を取得します。この登録事故証明書が重要で、この証明書から所有者をたどることができるのです。そして、所有者にたどり着いた後は、夜中に所有者の駐車場に忍び込み、盗んでおいたスペアキーを使って、目当ての車を盗む、という手口もやったことがあります。
今回逮捕されたのは、駐車場にレクレーン車で乗りつけ、目当ての車を持ち去ろうとしている最中に、見張り役がへまをして警察官に見つかったことで、現行犯逮捕されてしまったのです。
このように自動車盗を数多くやってきたので、これまでの稼ぎは1000万円を超えるかもしれません。私はどうなってしまいますか?
刑事弁護士からの一行回答
刑事弁護士に事件を依頼すれば、ご相談者の窃盗事件に関して、少しでも早く留置場から出られるように、また少しでも刑罰が軽くなるように、ご相談者に有利な弁護活動を受けることができます。
ご相談者が現在逮捕されているのは、「駐車場にレクレーン車で乗りつけ、目当ての車を持ち去ろうとした」一件についてです。本件以外にも、今まで合計で、「稼ぎが1000万円を超える」窃盗をしてきたということなので、多くの余罪が存在するものと思われます。今後は、いま捜査されている「駐車場にレクレーン車で乗りつけ、目当ての車を持ち去ろうとした」件が起訴された後、余罪についても、証拠が固まり次第、再逮捕が繰り返される可能性が高いです。
刑事裁判についてですが、最終的に、余罪についての捜査が困難で、証拠が固まらなければ、今回の「駐車場にレクレーン車で乗りつけ、目当ての車を持ち去ろうとした」件だけで裁判を受けることになりますが、余罪に関する証拠が固まり、追起訴があれば、これらの事件を全て合わせて裁判を受けることになります。
また、一般的に、事件が起訴された後は保釈を請求することになりますが、今回のケースは、その手慣れた犯行態様から余罪があることが合理的に疑われるので、直ちに保釈が認められるのは困難かもしれません。
最終的に刑を軽くしたいというのであれば、被害者に弁償を尽くしていくことと、そもそも余罪を起訴されないようにすることが大切です。