よくある刑事弁護士への相談の例
傷害罪で執行猶予になるケース
アパートの隣人と口論になり、スパナで相手の腕を殴りつけて骨折させ、傷害罪で起訴されてしまいました。
もともとその隣人は、神経質なクレーマーとしてアパート内で有名な人でした。今回も、私がアパート1階のガレージで音楽をかけながら車を洗っているところに、音がうるさいと言って怒鳴り込んできたのです。謝ったのですが、ネチネチと文句を言い続けるので、私もケンカ腰に言い返してしまい、そのままケンカになりました。
相手が近寄ってきたので、身を守るために、近くにあったスパナを振り回したら、相手の腕に当たりました。当たるかもしれないとは思っていたのですが、本当に当たってしまったのです。勢いがついていたので、当たった時は鈍い音がしました。
今回の件で警察に逮捕されてからは、頭を冷やして、一貫して容疑を認めています。私はケンカ早い性格で、お恥ずかしい話ですが、1年ほど前にも傷害で罰金になった前科があります。
今回のことで、こんなことではいけないと猛省して、今後は衝動に流されずに生きていこうと決心しました。カウンセリングにも通うつもりで、探し始めています。妻も今後の私の生活を監督し、更生を支えると言ってくれています。
前科があるうえに今回は凶器を使っているので、傷害罪で公判請求となりましたが、起訴された後に隣人とは示談が成立し、「今回の件については許しても良いと思っている」という嘆願書が提出されています。
なお、罰金刑になったことはありますが、刑事裁判を受けるのは今回が初めてです。
刑事弁護士からの一行回答
今回の事件のような傷害罪は、罰金刑で終わる場合と、刑事裁判になる場合があります。同種前科が複数あったり、凶器を用いた犯行であったり、被害の程度が重たい場合は、刑事裁判になる可能性が高いです。
刑事裁判では、通常、懲役刑が求刑されることになりますが、本件のように、「素直に罪を認めて反省している」「被害者と示談が成立し、宥恕の意思が表明されている」「同居の家族が今後の生活を監督すると約束している」「刑事裁判を受けるのは今回が初めてである」等の事情が認められれば、高い確率で執行猶予付きの判決を得ることができます。
その他、ご相談者の傷害事件に関連しては、弁護士との法律相談で、「執行猶予の詳しい意味が分からない…」「執行猶予で保護観察になった場合はどうしたらよいのか…」「そもそも執行猶予と前科の関係は?執行猶予の期間中はどうやって生活したらよいのか…」といった疑問や不安を解消することができます。