よくある刑事弁護士への相談の例
渋谷駅で同僚と起こした傷害事件を示談で解決したい。
会社の飲み会の帰りに、同僚と喧嘩になり、けがを負わせてしまいました。警察から取り調べを受けて、刑事事件になっています。今後の解決方法について、どうすればよいか、相談させてください。
先週、会社で新入社員歓迎会がありました。その日は金曜日で、明日を気にせず飲めるということで、久しぶりにあう同期の3人で飲み直しに行こうということになり、渋谷に向かいました。
渋谷駅近くの居酒屋で夜通し飲みあかし、始発が出るころにお開きとなりました。私たち3人のうち1人は「俺地下鉄だから、お疲れ。」と言ってその場で分かれ、私ともう1人の2人で京王井の頭線の駅に向かって歩いていきました。
途中、私は酔いが酷く、千鳥足で歩いていたため、同僚にドンドンとぶつかってしまっていたようで、「ちゃんと歩けよ。」と何度か注意されました。しかし、私も酔うと悪ふざけをする癖があり、そのままぶつかり続けてしまいました。
すると、その同僚が怒り出しました。「痛いんだよ。」相手は軽く振り払ったつもりだったのでしょうが、ふらついていた私はバランスを崩し転んでしまいました。突き飛ばされたと思った私は、「何するんだよ。」と相手を突き飛ばし返しました。そのまま酔っ払い通しのケンカが始まりました。
ふにゃふにゃなパンチだったので大した怪我にはなりませんでしたが、突き飛ばした際に相手は右足を捻挫し、地面で顔面を打って鼻の骨を骨折してしまったようです。現場を見ていた通行人が警察に通報したらしく、警察官が駆けつけ、交番から警察署に連れていかれました。そこで、取調べを受け、半日経ってやっと解放されました。
そもそも、今回のトラブルは私が原因ですし、相手はけがまでしています。示談をして仲直りしたいのですが、こういった場合はどのようにしたらいいのでしょうか?
刑事弁護士からの一行回答
今回の事件は、ご相談者と相手方は会社の同僚同士で、共通の知り合いも多いと思われますので、ご相談者自身で示談交渉を進めるか、共通の知り合いに間に入って示談交渉を進めてもらうのがよいと思われます。
相手方に示談金を支払う場合は、必ず示談書を作成し、後日、紛争が蒸し返されることがないようにしてください。示談書を作成したら、それを警察署に持って行きましょう。刑事事件もそのまま無事に解決できる場合が多いです。
もし「話し合いがこじれて自分たちでは解決できない」という事態になってしまったら、刑事弁護士を立てて示談交渉を進めるのも1つです。加害者本人とは話したくないが、弁護士であれば話をきいてもよいという被害者も少なくありません。
刑事弁護士が間に入れば、被害者の同僚は何が気に入らずに示談をしたくないのかを聞き出し、その点のケアをしてゆくことができます。
もし被害者の彼が法律的にみて著しく過大な請求をしているのであれば、その点を教え諭しますし、被害者の方もこの段階で示談をするメリットがあることを伝えて、最終的に事件が穏便に解決するように話し合いを進めていきます。