よくある刑事弁護士への相談の例
東京駅で酔っ払って起こした傷害事件を示談で解決したい。
先日、見知らぬ男性とトラブルになって相手に怪我をさせてしまいました。その時の傷害事件について相談させてください。
私は静岡県で居酒屋を経営している42歳の男です。久しぶりに東京に上京して大学時代の友人たちと同窓会をしました。私はそのままビジネスホテルに泊まる予定でしたが、近隣の仲間たちは家に帰るというので、東京駅まで見送りに行きました。
改札口で「じゃあな。元気でな。」と別れを交わし、さてホテルに向かおうかと歩き始めた際に人とぶつかってしまいました。「お。すみません」と謝ったにも関わらず、相手は「痛いんだよこのボケが。」と私を睨みつけてきました。
私はもともと大学時代は体育会系の剣道部に所属しており、体力に自身があったこともあり、こんな奴になめられたら洒落にならないと思って、相手を睨み返しました。そして、その場で1,2分睨み合いが続いたのですが、その間ずっと、相手は私の悪口、例えば見た目の特徴や服のセンスなどについて、ぐちぐちと執拗に繰り返しており、やれ「魚の腐ったような目だ。」「息が臭い。」「貧乏が染み付いてる人相だ。」などと言い続けていました。
あまりにしつこいので、私もついキレてしまい、拳で力いっぱい相手の顔面を殴って、前かがみになった相手のあごを膝で蹴りあげてやりました。相手は「あー」と言ってその場に倒れこみました。
私たちをずっと見ていた駅員がすぐに警察を呼び、私はそのまま近くの交番に連れて行かれ、事情聴取を受け、そのまま最寄りの警察署に連行されてしまいました。その間、相手は救急車にのって病院に運ばれたようです。
先日、また警察に呼ばれて警察署まで行ったのですが、相手はあの日、あごの骨を掘り、今も食事ができない状態が続いているという話を聞きました。当時は酔っぱらっていたとはいえ、大人気ないことをしてしまったと反省しています。
裁判になるのは避けたいので、示談をして穏便に収めたいと思っていますが、そういった場合はどのようにしたらいいのでしょうか?
刑事弁護士からの一行回答
本件のような傷害事件を「示談をして穏便に収めたい」場合は、刑事弁護士を立てて示談交渉を進めるのがベストです。刑事弁護士であれば、相手方の連絡先を入手できるケースが多いです。
刑事弁護士は、捜査当局に依頼人が示談希望である旨を伝え、捜査当局は被害者に「加害者が示談を希望しているが、弁護士に限って連絡先を教えてもよいか」と打診し、被害者がこれを承諾すれば、弁護士に連絡先が伝えられます。
傷害事件の場合は、当事者同士で話し合っても事態が拗れるケースが多く、刑事弁護士が代理人として介入し話し合いを進める方が、冷静な交渉と妥当な結論が期待できます。また、示談で民事賠償の問題も一挙に解決することができます。