平成22年、人を死亡させた罪の公訴時効に関して、法改正が行われました。
その結果、現在では、人を死亡させた罪であって法定刑に死刑を含むものについては、公訴時効が撤廃され、公訴時効が完成することはないこととされました。
子の法改正の理由として、次の3点が挙げられています。
(1)殺人等の人を死亡させた犯罪については、「時間の家騎亜による処罰感情の稀薄化」という公訴時効制度の趣旨が必ずしも当てはまらなくなっていること。
(2)人の生命を奪った殺人などの犯罪につしては、従前の25年よりも長期間にわたって刑事責任を追及できるようにすべきであるという意識が、国民の間で広く共有されるようになったと考えられること。
(3)近時、ひがいしゃのいぞくをちゅうしんとして、殺人等の人を死亡させた犯罪について、公訴時効制度の見直しを求める声が高まっていること。
かくして、人を死亡させた罪で法定刑に死刑を含むもの(殺人、強盗致死など)については、公訴時効の対象から除外され、公訴時効が完成することはなくなりました。
他方、人を死亡させた罪であっても、法定刑に死刑を含まないもの(強姦致死、強制わいせつ致死、傷害致死など)については、公訴時効は撤廃されておらず、今後も公訴時効が完成するという事態があり得ます。
なお、現住建造物放火罪の様に、犯罪の成立要件として人の死亡が要素となっていないものについては、公訴時効は撤廃されておらず、今後もこう注時効が完成することがあり得ます。