「示談をすれば、前科はつかないんですよね?」という質問を受けることがあります。
この質問は、間違っているとは言い切れませんが、あまり正確でもありません。
どういうことか説明しましょう。
起訴されるかどうかについては、諸々の事情が考慮されますが、最終的には「あなたを処罰する必要があるか」が基準となります。
そして、示談をして被害者から許してもらえば、被害が回復したといえるようになり、処罰の必要性は少なくなります。
示談をすれば不起訴になることが多いのは、そのためです。
しかし、たとえばあなたに前科が多数ある場合には、今回示談をしたとしても、再犯のおそれがなくなったとは考えにくいところです。
そのため、この場合には、示談をしても処罰の必要性があると考えられるおそれがあるのです。
そのように考えられたときは、なお起訴される可能性があります。
このように、前科がないか少ない場合なら、示談をすれば、不起訴となるのが通常です。
これに対して、前科が複数ないし多数ある場合には、示談をしても、起訴されてさらに前科が増える可能性があります。