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当ページ内で紹介する事件には、2017年7月13日の改正刑法施行前の事件も含みます。
執行猶予中の窃盗事件で起訴されたものの、ALPCの弁護活動により再度の執行猶予判決を得られたご依頼者の体験談と刑事弁護士の解説です。ご依頼者には、困難な事件でも最善の弁護活動で刑務所行きを阻止した点について、高い評価をいただきました。
弁護士に門前払いされてきた中、先生が引き受けてくれました。再度の執行猶予になり感謝の気持ちでいっぱいです。
窃盗事件のご依頼者の直筆体験談(No.312)
ALPCの先生、スタッフの皆さま(特に事務員さん)この度はほんとうにありがとうございました。当初不起訴になればと思い地元弁護士に依頼してしまいましたが、起訴されて絶望し途方に暮れていました。それでもなんとか75歳の認知症の姉を実刑にはできないと思い、刑事専門の弁護士を探している時にALPCの先生のことを知りました。認知症とはいえ執行猶予中に起こした事件であったために、それまで弁護士から門前払いをされていましたが、ALPCの先生が依頼を引き受けて下さった時の気持ちは言葉では表現することができません。何もわからない私たちにきめ細かく、分かり易くご指導いただき遠路足を運んでいただきました。最善の弁護活動をしていただき、再び執行猶予の判決となりまして感謝の気持ちでいっぱいです。姉も認知症の治療を継続しながら、介護保険のデイサービスも利用して、落ち着いて更生の日々を送っています。ますます高齢化社会へと突入していく日本では、姉のように外見からは分からなくても認知症により犯罪者となってしまう悲しい事件もあるかと思います。これからも、そんな高齢者と家族の味方であり続けていただきたいと、心より願っております。本当にお世話になりました。心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
本件の概要
弊所クライアント(無職、70代女性、同種前科前歴4件)が、執行猶予の期間中に、スーパーで万引きして逮捕されたという事案です。なお、クライアントは認知症で、改善の見込みはないと診断されていました。
本件の刑事弁護士の活動内容と結果
捜査段階は現地の弁護士が弁護人に付いていましたが、起訴されてしまい、現地の弁護士からも実刑になる見込みが高いと伝えられていました。その段階で、ご家族の方が弊所にご依頼をされました。
受任後、担当弁護士が調査したところ、クライアントの認知症は進行する一方なので、刑務所ではなく施設での治療が必要でした。そこで担当弁護士は、クライアントが改善の見込みのない認知症であるという診断書を取得しました。そして、クライアントには施設に入ることを了承していただき、その書類を証拠として提出するなどしました。その上で、担当弁護士は裁判官に対し、クライアントの更生は刑務所内ではできないということを主張しました。その結果、再度の執行猶予が認められ、クライアントは施設で治療を受けられることとなりました。
本件のポイント
再度の執行猶予の獲得は、非常にハードルが高いです。しかし、この事案では、クライアントの認知症が進行する一方であるという事情があったため、刑務所での服役よりも施設での治療の方が適していました。また、クライアントはご高齢でもあり、服役してからでは治療が間に合わないという事情もありました。そこで担当弁護士は、クライアントやご家族と綿密に連絡をとると同時に、病院や関係当局に幅広く働きかけ、治療の必要性等を粘り強く主張することに尽力しました。その結果、特に酌むべき情状があると裁判官を納得させることに成功しました。